患者さんが来ていてしっかり売上は立っているものの、設備や賃料などの支払いも多く、資産形成ができていないケースが非常に多いです。集患ができていなくて利益が出ないのであれば広告宣伝費をかけて患者さんを集めて売上を上げれば改善できます。しかし、この場合は集患ができているため、更に売上を向上させるのは至難の技で、 利益が出ない体質から脱却するのは相当大変なことです。

特に一人や少人数で診察や治療を担当している開業医の方にありがちです。資金的な問題でスタッフを雇えない、思うように人材が採用できない、あるいはスタッフはいるけど思ったように動いてくれずに結局ドクターが動かざるを得ないなど、さまざまな背景があります。このような状況だとドクターは 深夜も休日も働き詰めになってしまいます。むしろ勤務医時代よりも忙しくなってしまったという開業医の方も少なくありません。

開業医は医師であると同時に経営者でもあります。勤務医時代なら患者さんに向き合うことに専念できていたかもしれません。しかし、開業医となると病院やクリニックの運営に関するさまざまな業務をこなすことが求められます。しかも、それらは専門外であるため、時間や手間がかかってしまいます。これを見落としたまま、あるいは軽く考えたまま開業してしまうと、 運営の仕事に忙殺されて医師の仕事に集中できないというジレンマに悩まされることになります。

多くの開業医が勘違いしているのが「患者さんは待っていれば来るもの」ということです。しかし、実際には他のビジネスと同様、宣伝をしなければ患者さんは来てくれません。実際には開業しても全然患者さんが集まらず、売上も思うように上がらないということもよくあります。「より稼ぎたい」、「収入をアップさせたい」と思って開業医になったのに、 結果的に勤務医時代のほうが収入は多かったと悩まれている方も多いです。

経営者である開業医は常に倒産の恐怖と隣り合わせです。利益が上がっていればまだいいのですが、売上がないと支払いに追われることになってしまいます。融資などの資金調達がうまくいかないと心が休まりません。この悩みは開業した医師にしかわからないものです。一生懸命集患すれば売上は上がるかもしれませんが、忙しくなってしまいます。 勤務医時代よりも心身とも疲弊してしまうというケースも少なくありません。

人を使うことは思った以上に難しいです。スタッフを雇ったのはいいものの思ったように動いてくれないこともあります。結局ドクターの仕事が増えて「なんのために雇ったのか？」とイライラを抱えるというのも開業医にありがちです。自分の負担を軽減するために人を雇ったのに、むしろ勤務時間が増えて、心身ともに疲弊している開業医の方も多いです。